記事の内容
- 退去立会いしない方がいい3つの理由
- 退去立会いのよくあるトラブル3選
- 退去立会いに関するよくある質問
退去する時に立会いが必要って言われるけどした方がいいの?
いきなりですか、退去時に「立会いをして一緒にお部屋を確認しましょう」と聞きませんか?また、インターネットで調べると「退去時の立会いをしないと損をする」と解説するサイトがほとんどです。しかし、これが事実なのか疑うのは私だけでしょうか。なにか不動産業界の思惑があるのでは…。
そこで当記事は「どっちがいいの?退去の立会いをしないほうがいい本当の3つの理由!」を解説します。退去の立会いに何度も経験している、不動産大家が解説するので参考になると思います。この記事を読めば、立会いをしない方がいい本当の理由が分かります。
読み終わる頃には、立会いせずに余計な費用を払わない方法が身につきます。
読んで分かる3つのこと
- 退去の立会いをしない方がいい3つの理由
- 退去の立会いでよくあるトラブル3選
- 退去立会いに関する質問3選
運営者 しょう
不動産大家×Webライター
・東京23区の不動産大家
賃貸経営4年目・年間家賃300万円
・保有する資格
ファイナンシャルプランナー2級・証券外務員Ⅰ種
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【大家監修】退去の立会いをしないほうがいい理由3選
賃貸物件を退去する際には、管理会社の立会いのもとで部屋の状態を最終チェックします。しかし、立会いをしない方が良い理由が3つ存在します。不動産会社の言っている内容と照らし合わせながらご覧ください。
法律に立会いの義務はない
画像引用 藍青堂書林
まず退去時の立会いは法律上、義務ではない点を知っておきましょう。なかには「立会いするのが当然」のようにふるまってくる担当者がいますが間違っています。そのため、立合いを拒否したとしても違法にならないので安心してください。ただし、契約書の中に立会いが必須になっている場合は話が変わってきます。契約書の内容を一度確認してみましょう。
「立会いは法律で決まってます(キリッ)」っいう担当者がいたら、本当のことを言っていないのでしなくても大丈夫です。
不動産屋に言いくるめられる
不動産屋の中には、入居者が無知なのを良いことに余計な退去費用を請求してくる場合があります。たとえば以下のようなものがあります
- 「この壁のキズは入居当時なかったですね」
- 「壁紙が色褪せてるので全面交換が必要です」
- 「ベッドの柱部分のフローリングは交換します」
不動産の担当者は、「それって全部負担しなくちゃいけないの」といった内容を、矢継ぎ早に言ってきます。こんな場面で、何も分からない人が立会いしても反論できるでしょうか?そして極めつけには「サインをしなければ退去できません」と言われてノックアウトです。
サインをすると後戻りできない
立会いの最後に書類へサインを求められます。何もわからずにサインしてしまうと後になって後悔する可能性は高いです。例えば「納得いかないからお金を返して!」と言っても、不動産屋から門前払いされるのがオチです。なぜなら、サインをするのは民法第228条4項で「退去費用の内容に納得した」と判断されてしまうからです。ただし以下の2点は間違っているので注意しましょう。
- 契約書にサインをしないと退去できませんよ?
- サインをしないと退去にならないので家賃を払ってもらいますよ?
賃貸の退去は解約の意思表示(不動産会社への通告)と、鍵の返却が完了したら退去することができます。そのため、記録が残るメールでやり取りすると「言ったい言わない論争」をしないですみます。
立会いをしてどうしたらいいか分からない…。不安がある人は消費者センターや専門家に相談するのがおすすめです。
相談先の期間 | 連絡先 |
---|---|
国民生活センター | 消費者ホットライン 188 |
全国宅地建物取引業保証協会 | (公社)東京都宅地建物取引業協会 03-3264-8000 |
日本司法支援センター法テラス | 法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 |
退去の立会いでよくあるトラブル3選
この章では「退去立会いのトラブル3選」を紹介します。「こんなトラブルあるの!?」や「ふむふむ、注意しなきゃ」など考えながらご覧ください。
修繕費用の過大請求
退去立会い際に、部屋についている傷や破損に対する修繕費用の見積もりが、必要以上の過大請求されるケースがあります。法律では、「通常使用」による摩耗や経年劣化に対して費用を負担する必要はない、と明記しています。具体的な費用については以下の画像を参照してください。
A:賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても、発生すると考えられるものB:賃借人の住まい方、使い方次第で発生したり、しなかったりすると考えられるもの(明らかに通常の使用等による結果とは言えないもの)
A(+B):基本的にはAであるが、その後の手入れ等賃借人の管理が悪く、損耗等が発生または拡大したと考えられるもの
A(+G):基本的にはAであるが、建物価値を増大させる要素が含まれているもの
⇒ このうち、B及びA(+B)については賃借人に原状回復義務があるとしました。
国土交通省 (mlit.go.jp)
要は通常の使用でできた傷や修繕費用は入居者が負担しなくて大丈夫。ただし、タバコの匂いやカビを大量に発生させたら払う必要があるよ。
清掃費用のトラブル
退去時によくあるトラブルに清掃費用に関する問題があります。ことの発端は契約書にある「退去時のクリーニング費用は借主負担」と明記されていることです。原則は契約書の内容が優先されますが、あまりにも高額な清掃費用を請求された時は、判断が分かれるところです。
退去費用が高いと感じたら見積もりの内訳を請求して確認しよう。見積もりがあれば相談する時に話がスムーズにいくよ。
クリーニング代が高かった時の対処法が知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
立会いを強制される
立会いを拒否したにもかかわらず、「代理人でもいいから来て欲しい」と言われる場合があります。本人ならまだしも、物件に関係のない人を呼んで確認する内容っていったい何なのでしょうか。不動産屋がサインをほしいのは分かりますが、無理をしてまで立会いをする必要はないでしょう。
入居者のため、と念を押して言ってきますが冷静に判断して立会いするかを決めましょう。
退去の立会いをしないで円満にする方法
「立会いしないでどうやって退去するの?」そんな疑問に答えるため、この章では立会いをしないで円満退去する方法を解説します。余計な費用をかけないで退去したい方は参考にしてください。
期間内に退去の通知をする
まずはじめに、退去する意向を不動産会社へメールで通知します。この時に気を付けるのは、契約書の記載している「解約予告期間」をしっかり守ることです。
解約予告期間ってなんのこと?
解約予告期間とは、賃貸物件を退去したい時に解約の意思を大家さんへ伝える期間をいいます。解約予告期間おかげで、次の新しい入居者を探すための期間になっています。
不動産屋に送る際は、メールの件名を「退去通知」にして、本文の内容がすぐに分かるようにしておくと親切ですね。メールには日にちや時間が自動的に記録されているので、「いざという時の証拠」になります。
手続きの指示を受ける
メールを送って数日すると、不動産屋からメールの返信があります。「退去に関する手続き」に関する指示なのでしっかりと内容を確認しましょう。退去手続きには、必要な書類の提出や物件の確認方法などが含まれています。その際は、
退去の立会いはしません。今後のやりとりは電話ではなく、メールでお願いします。
と伝えましょう。その他は、不動産屋の指示に従い必要な手続きを進めていきます。
部屋の状況を確認する
物件の最終確認に立会いは行わずに、結果をメールで受け取ります。その際「費用の内訳と理由」は必ず確認して、不明な点はメールで問い合わせしましょう。不動産屋からメールで「入居時になかったキズが理由です」といった返事があれば「証拠となる写真や記録」を請求します。なくても大丈夫ですが、入居時の部屋の状況を写真撮影しておくと退去時に不当な費用を支払わなくて済みます。
敷金を清算する
退去後の部屋の状態を確認して、原状回復に必要な金額が決定した後に敷金の清算が行われます。通常「敷金償却」となっている場合、返金されることはありません。しかし、敷金償却でない通常の敷金であれば、清算して返金されるので忘れないようにしておきましょう。この際のやり取りもメールでしておくと、後のトラブル防止につながります。
敷金は部屋をもとに戻す費用に使われて、余ったら退去時に返金されるのがルールです。
郵送による鍵の返却
「鍵を返す時はどうしたらいいの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。結論、鍵の返却も不動産会社に行かずに、郵送で送れば大丈夫です。郵送する際は、書留にして確実に届くようにしましょう。普通郵便の方が安価でやりがちですが、鍵が返却されないとそれ以上の費用を負担するので書留にしておくのがおすすめです。
この5ステップで、退去の手続きを完了します。もし不明な点があれば、その都度担当者に聞きながら進めていきましょう。
退去の立合いでよくある質問3選
この章では、退去の立会いに関するよくある質問を3つ紹介します。掲載していないことで質問や相談がある人は、お問い合わせか公式ラインで気軽に相談してください。(プロフィールページにあります)
退去の立会いはしないといけないですか?
- 退去の立会いはしないといけないですか?
-
退去の立会いは法的な義務がありません。不動産屋に言いくるめられてしまう可能性があるので、あまりおすすめはしません。もし立会いする場合も、その場ですぐにサインをするのではなく、いったん持ち帰って不明な点がないか確認しましょう。
退去のサインをしないとどうなりますか?
- 退去のサインをしないとどうなりますか?
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書類の内容に同意できない場合は、無理してサインをする必要はありません。中には
営業マンサインしないと退去手続きが完了しません
営業マンサインしなかった日数は家賃を払ってもらう
など、脅されるケースがあります。退去時には、解約の意思表示(通告)と鍵の返却をしっかり行えば問題ありません。
退去の立会いは誰が来ますか?
- 退去の立会いは誰が来ますか?
-
管理会社の担当者が1人来ます。なかにはリフォーム業者が立ち会うこともありますが稀なケースです。
まとめ
【大家監修】退去立会いしないほうがいい理由3選!の解説は以上です。良くネットでは「退去は立会いした方がいい」と見ませんか?こういったネットの情報は、一度疑ってみるのことも大切です。なぜならその情報は「誰が発信しているか」が肝心だからです。例えば「不動産屋」が発信する情報なら、不動産屋がトクする情報だと思いませんか?
部屋ナビでは、初心者の人が不動産屋にダマされないようにするために情報発信をしています。記事を読んだ皆さんが、何事もなく退去できるのを心から願っています。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
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